私の住んでいるフランスの街に、初雪が降りました。
道行く人の白い息、煙突から出る煙、屋台のクリープの香り、冬の到来です。
街を歩けばクリスマスの装飾だらけ。
それでも私は寒くなると思い出すのはインカレです。
年に一度だけ出場するチアリーディングの大会。
応援団では数え切れないほど思い出がありますが、まず忘れられない1つについてお話しします。
年末の大会に向けて、寒さとともに練習量が増えていく冬。
短いようで長いその期間は、新しいことへのワクワク感だけではなく、本番へのプレッシャー、毎日の練習の疲れ、うまいくかない焦りで時にヘトヘトになってしまうこともあります。
1年前の12月。
そんな日々を乗り越えた先にあったのは、本番前日の大きな怪我、急遽メンバーがかけての大会出場という状況でした。
その時のショックは大きくて、本当に最近になってその時の大会の動画が見られるようになった程です。
どうして神様はこんなに意地悪なんだろう?
その時は悲しさとやり切れなさでいっぱいでした。
もう失うものは何もないと半分やけっぱちで挑んだ予選。でもなぜか進んだ準決勝。
世の中は不思議なことだらけです。
悲しさと悔しさと驚きと涙と嬉しさと…一生分くらいの感情を一気に経験した時でした。
でも今考えるとただの偶然ではなく、みんなの力。あの時に心が折れずに演技ができたのは支えてくれる人がいたから。
気づいたら他チームのメンバーや先輩、沢山の人に応援されていました。
人の言葉はどんな薬よりも元気をくれて、仲間の力は偉大です。
窮地に立ったからこそ、その大切さを再確認させられました。この先ずっと忘れない思い出になると思いますし、そんな経験ができたこと、そんなメンバーに出会えたことに感謝しています。
さて、時が遡ること2015年4月。
最初は応援団に入る可能性は全く考えてなく、違うサークルに心を決めて入学したのになぜかリーダー部吹奏楽部と応援に駆けずり回る日々を送っていました。
覚えているのは、とにかく最初の頃は大変という部分ばかり目に入っていたこと。
“いばらのフランス”とも言われるフランス語学科での学問と毎日ある練習との両立。
さらに私は頑固な性格で、応援団での考えを最初の頃なかなか受け入れることができませんでした。
応援団の特殊なルールは存在意義があるのか。なぜ変えようとしないのか。
先輩に怒られないようにやる機械みたいな応援をされて選手は嬉しいのだろうか。
練習中、意見が無くても無理やり絞り出すように集合ばかりするのはなぜなのか…。
そんなで1年生の頃は、夏合宿前日に同期全員で部活を止めようとしたり、思ったことをすぐに口に出してしまい同期と口論になったり、顔を合わせるたびに友達を心配させていたり…
自分の部活人生、特に前半は失敗ばかりです。
こんな私を変えてくれたのがチアリーディングでした。筋1つ、重心を1センチ意識するだけでがらっと変わるスタンツ。
繊細なのにダイナミック!というこのスポーツにすっかりはまってしまいました。
さらに私はトップというポジションにも性格があっていたのか、周りが気にかけてくれるような失敗に対する不安や恐怖は一度も感じたことはなかったです。
チアの練習の時は、団活動の大変さや学科のテストのことも忘れてしまい、頑張ろうとしなくても楽しいことだから自然に沢山練習したくなる!
天職ならぬ、天部活だと思いました。
自分はチアは好きで応援があまり好きになれないように、反対の考えのチームメイトもいる。それぞれの人の考えも好みも違くて当たり前、それならみんなと考えは合わなくても、行動は合わせよう。
自分が好きな人たちが応援団を好きなら私も同じ行動をする!
こうしていくうちに、大変とばかり思っていた応援団も不思議と大好きになってしまったのです。
そんなこんなで年数を積み、部活がさらに楽しくなり、大切な後輩もできて毎日素敵な仲間に恵まれて…
もう私が望むものはない!今が永遠に続けばいいのに。と思っていた準幹部。
そんな中です。
私が留学の決心をしたのは。
私は2年生の時から、4年目はチームに残らないで留学をするというのはずっと考えていましたが、いざ期間が近づいてくると迷いが生じました。
それほど応援団とeaglesが自分にとってかけがえのない大切なものでした。
沢山悩んで、期限も迫り、最終的にずっと決めていた留学を選びました。
現在渡仏から11ヶ月、
すっかりバケットとbonjourの一言から1日が始まる生活にも慣れ、私がチームを離れてから1年が経ちました。
それでもやっぱり、応援団は私のホームであると感じます。
留学中、思うようにいかず落ち込むことが多々ありました。何もやる気が出ない時や、1人泣きながら帰ったこともあります。
でもそんな時でも、チームラインに送り続けられる部活の動画。
それをやっている仲間は大変でもどんな状況でも目標に向かって努力する人たちで、私はそんな仲間に留学に送り出されたのです。
ゆうゆ先輩がいなくても頑張りますと言ってくれた後輩たちがつくる部活、就活をしながらも遅れを取るまいと頑張る同期。
動画を見るたびに自分頑張らないと、と自然に勇気をもらいました。
今度は私
応援する番。
あと1週間ちょっとの大会は、可愛い後輩たちが考えた演技での、同期の最後の舞台。もう本番の演技を見たら泣いてしまいそうです。
でも安心して演技をしてきてね、絶対パワーを届けます☄️
長くなりましたが、最後になかなかいう機会がないので仲間への感謝の気持ちで終わらせてください。
先輩方
言いたくなくても時に叱って、時に成長のチャンスをくれ、目には見えない経験という形でたくさんのことを教えてくれた先輩方には本当にお世話になりました。謝りたいことも感謝したいことも沢山ありますが、こんな後輩を受け入れてくださりありがとうございました。
吹奏楽部
強く、綺麗に、確実に成長していく吹奏の演奏を聞くのはとっても楽しかったです。
そして唯一の吹奏同期みさとちゃんのトランペットが鳴り響く時、すごく誇らしかった!
またいつかコラボしよう。
リーダー部
優しくて面白くて学年問わず個性強めなリーダー部。なぜか一番覚えてるのは1年夏合宿の食事係。笑
荒鷲での立派な姿、本当に感動した!
’18の後輩
話を聞いていたりで私はなんとなくみんなのこと知っています。上手な代だなぁと思いました。2年生になるともっと楽しくなるから、続けてみてね。
’17の後輩
とにかく可愛くてキラキラした後輩たち。人の話をよく聞いて吸収が早くて、私が教えるより教えられることの方が多かった気がする。この代が準幹だなんて信じられない。
みんならしいステキなチームをつくってね!
’16の後輩
最初は、この代強い!と思っていたけどその裏にある優しさやポジティブさに何度も助けられました。私がここまで楽しくチアをできたのはみんなのおかげ。かけてくれた言葉や思いやりは一生忘れません。
本当に大切な後輩たち。
入ってくれてありがとう。
同期のみんな
私の同期が引退なんて、1年生の頃からは考えられないな。どんどん仲間が辞めてしまって最初いた17人から9人に。自分自身も同期もいつ辞めてしまうか常に不安でした。
個性的で個人主義で思ったことは内に秘めておくような私の同期。それで誤解されたり怒られたりすることも少なくなかったけど、それも含めて全部かいい思い出。
毎日一緒に頑張った時間は人生の宝物です。
みんな、笑って引退してね。
家族、友達、OGの先輩、チームメイト。
周りのサポートがないとやっていけないのが応援団です。
その全ての人達と離れてみるといかにその存在が大切だったか、強く感じます。
応援団が教えてくれたこと。
人を応援すること。応援されること。
とりあえず頑張って続けてみること。
周りを大切にすること。
信じること。
このことを忘れず、これからも自分の道を進んでいきたいと思います。
最後までご覧くださりありがとうございました。
Cheerleading est toujours ma source de bonheur💓
チアリーディング部4年 岡嶋ゆりか