イスラエルで精密検査が流行っているらしいが

 

 

奥さんがガンで闘病中の夫の不倫。

 

南果歩さんにとっては、どうしても許せなかったのでしょう。

 

渡辺謙は、ゆっくりと修復を目覚ましていくと語っていましたが、己のしてきた仕打ちが、もう修復などに値するものではないこと、シタ側にはわからなかったのでしょうね。

 

 

旦那が絶賛不倫中、私はある重大な病の可能性が健康診断で見つかり、すぐに大きな病院で精密検査を受けるよう、言われました。

 

 

一刻も早くと言われたことが、とても怖かったことを覚えています。

 

帰り道、私はどうやってこの事を旦那に伝えたらいいのか、悩んでいました。

 

旦那はとても心配性で、寂しがり屋で、万が一私に何かあったりしたら、パニックになるかもしれないと、とにかく自分の身体より、旦那のことが心配でした。

 

一晩考えて、私は検査には1人で行くことに決めました。

もちろん、旦那にはなにも言わず、こっそり仕事を休んで病院に行きました。

 

紹介状をみた先生の顔が一瞬険しくなりました。

そして「検査の結果次第では、このまますぐに入院していただくことになるかもしれません。とりあえず、結果をお伝えする時に、ご家族をお呼びしますか？」と聞かれました。

 

でも私は「いいえ、大丈夫です。結果は私1人で聞きます。」と、先生の申し出を断り、検査に臨みました。

 

結果を聞くまでは、ずっと旦那と子どもたちの今後について、考えていました。

 

不思議と、自分が大変な病気かもしれないという恐怖はなく、ただただ、旦那のことが心配でした。

 

結論から言うと、私は特異な体質であることがわかり、それにより数値が桁外れなものとなることが判明しました。

 

体質の問題であって、恐ろしい病気ではなかったのです。

 

やはり旦那に言わなくてよかった。

余計な心配をかけなくて、本当によかったと思いました。

 

 

でも、旦那の不倫がわかった時に、絶望の中で思いました。

 

どうせなら、あの時に不治の病に倒れていればよかったと。

 

私が命に関わる病気にでもなれば、旦那も不倫を止めてくれたかもしれないのにと。

 

 

旦那が不倫を止めてくれるのならば、自分の命がどうなってもよかったんですね、当時の私は。

 

 

旦那も愚かですが、不倫によって狂わされた私も、今思えば本当に愚かでした。

 

世の中には、生きたくても生きられない人がたくさんいるというのに。

 

せっかく、なんの心配もないと言ってもらえた身体だったのに。

 

 

 

不倫をされて、心が完全に壊れてしまって、自ら命を絶つ人がいます。

 

別れ話がこじれて、怨まれて、不倫相手に殺されてしまう事件だってあります。

 

 

不倫の代償が命であるということが、実際にあるのです。

 

 

それでも、不倫楽しめますか。

 

そんな大袈裟なと、笑いながら不倫を続けられるのでしょうか。

 

人の心って、その人の命そのものなのですよ。

 

全てを自分のいいように解釈して、周りの人間や世間を舐めきって、家族の心も不倫相手の心までも、結局は自分の楽しみのために、まるでおもちゃのモノのように軽く扱うことができる。

 

不倫って本当に恐ろしいと思います。

 

もし、不倫の代償が地球よりも重い命だった場合、もう償うことすらもできないこと、不倫をする人にはわからないのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

初めましての方はからどうぞ

 

 

ｱｳﾙはﾚｲﾝの傍に行き、ﾍﾞｯﾄﾞに腰を下ろした。
ｱｳﾙ｢迷子になったのか？｣
尋ねるとﾚｲﾝは首を左右に振った。
ｱｳﾙ｢お父さんとお母さんは何処に居るんだ？｣
ﾚｲﾝをじっと見つめた。
ﾚｲﾝ｢えっと…うんと…判らない。｣
ﾌﾞﾜｯと涙が溢れた。
ｱｳﾙ｢おいで。｣
両手を差し出した。
ﾚｲﾝは警戒して躊躇っている。
ｱｳﾙ｢大丈夫。俺はお前をいじめない。｣
ﾚｲﾝの目を真っ直ぐ見つめて言うとﾚｲﾝは躊躇いながらもｱｳﾙに身を寄せた。
ｱｳﾙ｢いい子だ。お前はいい子だ。｣
抱き締めて、よしよしと頭を撫でた。
警戒して強張っていたﾚｲﾝの体から力が抜けていく。
ｱｳﾙの腕の中でぴったりとくっついて瞳を閉じた。
ﾚｲﾝ｢…大臣さん…｣
穏やかな表情でﾎﾟﾂﾘと呟いた。
ｱｳﾙ｢今、何て言った？｣
すかさず、聞き返した。
ﾚｲﾝは目を開いてｱｳﾙを見上げてｷｮﾄﾝとしていた。
ｱｳﾙ｢『大臣さん』って何処の大臣？魔王城の大臣か？｣
優しく尋ねるとﾚｲﾝはｺｸﾝと頷いた。
ｱｳﾙ｢大臣さんに何を言われた？｣
ﾚｲﾝは少し考えて思い出している。
ﾚｲﾝ｢うんと…だいとーしんｽｶｲﾚｲを見付けて…えっと…うんと近くに寄って首を切りなさい…。｣
思い出しながら答えた。
ｱｳﾙ｢そうしたら、どうなると言った？｣
真剣な表情でﾚｲﾝに尋ねた。
ﾚｲﾝ｢お父さんとお母さんが迎えに来るの。でもね、来なかったの…｣
寂しげに言った。
ｱｳﾙ｢そうか…。
(ﾆｯｸｽ…ｽｶｲﾚｲの目の前で子供に首を切らせた…何故だ？何か理由が…)｣
ﾄﾞｱが開き、壱が病室に入って来た。
壱｢ｽｶｲﾚｲには会えたのか？｣
ﾑｽｯとした表情で尋ねた。
ｱｳﾙ｢…あぁ。熱を出して倒れたから軍医に診て貰っている。｣
壱｢熱？…暑いからな。熱中症にでもなったか。｣
ここ数日の魔界は気温が30度を越える日が続いていた。
壱｢子供の具合はどうなんだ？見た所、元気そうだが…。｣
ﾚｲﾝを見て言った。
ｱｳﾙ｢ｽｶｲﾚｲが癒しの能力で治したみたいだ。もう傷も完治してる。｣
壱｢ｱｲﾂにそんな能力があったとは初耳だ。｣
ｱｳﾙ｢恐らくｽｶｲﾚｲ自身も気付いていないだろうな。前世の能力が一時的に覚醒したのかも知れない。｣
紙飛行機を飛ばして遊ぶﾚｲﾝを見つめた。
紙飛行機が壱の足元に落ち、壱はそれを拾い上げた。
まじまじと見て、ふと気付き、慌てて紙飛行機を開いた。
壱｢おい！コレ勅命状じゃねぇかっ！｣
思わずｱｳﾙにｷﾚ突っ込みをした。
ｱｳﾙ｢良い紙を使ってっから良く飛ぶ。ただの紙でも使いようで随分と変わるもんだな。そんなｲｶﾚた命令を書く位なら飛行機になって子供を喜ばせた方が良いだろうよ。｣
ﾚｲﾝの頭を撫でながら言った。
『天界軍はｻﾞｸﾞｰﾙから撤退し特命軍に委ねよ。特命軍にはｻﾞｸﾞｰﾙの浄化を任せる。』
壱は勅命状を飛行機に折り直してﾚｲﾝの方へ飛ばした。
空を切り、飛ぶ飛行機をﾚｲﾝは楽しげに目で追い、手を伸ばした。
ｱｳﾙ｢勅命に逆らう気か？｣
壱｢聞くまでもねぇだろ。｣
ｱｳﾙ｢俺とｼｷﾞを敵に回してもか？｣
壱をじっと見つめた。
壱｢当然だ。敵が誰であろうとﾌﾞｯ飛ばす。｣
意思の強い深紅の瞳がｱｳﾙを見つめ返した。
ｱｳﾙ｢お前は優秀な補佐官だ。｣
ﾌｯと笑った。
壱｢何で、いちいち上から目線なんだよ。｣
ﾑｯとして言った。
ｱｳﾙ｢まぁ…腐っても鯛だから。｣
真顔で言った。
壱｢いくら鯛でも腐ってちゃ食えねぇよ。｣
真顔で返して部屋を出て行った。
ｱｳﾙ｢…確かに。｣
納得して笑った。
やはり壱は面白い。
ﾋﾈｸﾚてはいるが的を得た事を言う。
そんな所が気に入って、ｱｳﾙもｼｷﾞﾙｰｸも壱に構いたくなる。
暫く、ﾚｲﾝの相手をしていると、血相を変えて壱が部屋に戻って来た。
ｱｳﾙ｢どうかしたのか？｣
壱｢ただの熱中症じゃねぇみてぇだ。ここじゃまともな検査は出来ねぇから判らねぇらしい。天界に戻って精密検査を受ける必要がある。｣
眉間にｼﾜを寄せて言った。
壱｢軍医も何人かﾌﾞｯ倒れたみてぇだし…伝染病か何かの可能性も出て来た。｣
話を聞いたｱｳﾙは黙り込んで少し考えていた。
ｱｳﾙ｢(…ﾆｯｸｽ…ﾚｲﾝ…ｽｶｲﾚｲの目の前で首を切る理由…伝染病…)｣
ﾚｲﾝに視線を向けるとﾚｲﾝはｱｳﾙに教えて貰った紙飛行機の折り方を練習していた。
ｱｳﾙ｢ﾌﾞｯ倒れた軍医はﾚｲﾝの手術に立ち会ったか？｣
ﾆｯｸｽがﾚｲﾝに首を切らせた意図は解らない。
だが、何か目的があっての事だろう。
ﾚｲﾝが首を切った事と謎の伝染病の原因が繋がれば、答えは見えて来るかも知れない。
壱｢判らないが、聞いてみる。…何か関係があるのか？｣
ｱｳﾙ｢さぁ…どうだろうな。｣
まだ確信した訳ではないので何とも言えない。
壱｢お前、何か隠してんだろ？｣
ﾑｯとしてｱｳﾙに詰め寄った。
ｱｳﾙ｢別に何も。｣
真顔で返事をした。
壱｢何か判ったなら絶対に言えよ？解ったな？｣
念を押した。
ｱｳﾙ｢言う必要があれば言う。｣
壱は余計ﾌﾞｽｯとした表情をした。
ｱｳﾙ｢大闘神が天界に帰還するなら、俺が付き添う。｣
壱｢何でお前が付き添うんだよ！お前は特命軍だろうが！｣
すかさずﾂｯｺﾐを入れた。
ｱｳﾙ｢お前はｺｺの指揮を取る為に残る必要があるだろ。特命軍の方はｼｷﾞに任せる。｣
壱はﾑｯしたが、納得せざるを得なかった。
確かに、ｻﾞｸﾞｰﾙには復興作業の指揮を取る者が必要だ。
壱｢検査の結果をぜってぇに報告しろよ？｣
ｱｳﾙ｢心配しなくても、それは報告する。｣
苦笑した。
壱｢『それは』って、どれは報告しねぇ気だ？ｺﾗ。｣
細かく突っ込んだ。
ｱｳﾙ｢細かい事を気にするな。だから、お前は童貞なんだ。｣
呆れて言った。
壱｢もう童貞じゃねぇ…って、ﾃﾒｪｰには関係ねぇだろ！ほっとけ！｣
たびたび童貞ﾈﾀで遊ばれる熱血筋ﾄﾚﾊﾞｶ。
そうして、ｱｳﾙが付き添い大闘神ｽｶｲﾚｲは天界へ一時帰還する事となった。
天界に帰るとすぐに精密検査が行われたのだが、診断は困難を極めた。
前例のない病気に軍医達が頭を悩ませている間にもｽｶｲﾚｲの容態は悪化していくばかり。

 

―天界―
ｱｳﾙは私室でﾁｪｽ台に向かいながら、精密検査の結果を待っていた。
�
��るとﾌｨｵが手紙を持ってｱｳﾙの傍に来た。
ﾌｨｵ｢大闘神補佐官様からです。｣
相変わらずの無愛想でｱｳﾙに手紙を渡した。
封筒の開きには蝋が垂らして有り、その上から大闘神補佐官の紋章が彫られた判が押してある。
間違えなく、壱からだ。
ｱｳﾙは手紙の封を開き、便箋を取り出して開いた。
内容はﾚｲﾝの手術に当たった軍医の事だ。
やはり、ｽｶｲﾚｲと同じ症状で倒れた軍医はﾚｲﾝの手術に当たった者だった。
ｱｳﾙは顎に指を添えて暫し考えた後、咄嗟に立ち上がった。
途端、ﾁｪｽ台に膝を強打。
ｱｳﾙ｢くぅ…っ｣
地味に痛い。
床にしゃがみ込んで膝を擦っているとﾌｨｵが近付いて来た。
ﾌｨｵ｢絶対にやると思いました。仕事を増やさないで下さい。｣
ﾌﾞｽｯとして湿布を持っている。
ｱｳﾙはｽｸｯと立ち上がって、ぶつけた足を引きずりながら、自分の部屋へ向かった。
ﾌｨｵは呆れて見て溜め息をついた。
ﾌｨｵ｢…ﾀﾞﾒだ。｣
ご主人様は1つの物事(特に戦略)を考えると集中力が散漫して無駄に怪我をする。
そして手当てもそっちのけで、思い付いた事にまっしぐらだ。
従者のﾌｨｵからすれば非常に迷惑極まりない。
仕方がないので、気が済むまで放って置いて、後で手当てをする事にした。
部屋に入ったｱｳﾙは机に向かって椅子に座ると便箋と封筒を引き出しから出し、壱へ手紙を書いた。
内容は次の通り。
ﾚｲﾝの監視をしろ。外に出すな。それから、ﾚｲﾝの血液を採取して送る様に。
万一の事を考え、血液に触れない様に。
書き終わると封筒にしまい、蝋燭を垂らした上から判を押した。